軽やかに春のお庭が進化する 「ベジタブ」のススメ

暖かくなると同時に新しいことを始めたくなる春、お庭にも新しい息吹を吹き込んでみませんか? 今ある花壇やプランターでいつもと違う植物を育ててみるというのもいいですが、どうせなら視覚的にも大きく変化をつけて、気分をガラリと変えてみるのも楽しいもの。その上でお手入れがしやすければ言うことなしですよね!

そんな心躍る春にぴったりなのが、DIY感覚で組み立てを楽しみながら、お庭をワンランクグレードアップするレイズドベッド『ベジタブ』。その特徴とともに実際に組み立て段階から挑戦したレポートとアドバイスをお届けします。

- INDEX -

1. レイズドベッドとは?

そもそもレイズドベッドとはイギリス発祥の花壇の作り方の一種。「Raised(持ち上げられた)」+「Bed(花壇)」という語源の通り、一般的な地植えの花壇ではなく、高く盛り上げた枠内で植物を栽培するスペースで、素材は木やレンガ、ブロック、石、樹脂などさまざま。

その中に土や堆肥を入れ、植物を育てる、いわば大きさと高さのある花壇。高さと大きさがあることでしゃがんだり腰を曲げたりといった窮屈な姿勢から解放される、バリアフリーな側面でも人気が集まっています。

深さがあるので樹木も植えられたり根菜が育てられたりと、限られたスペースで効率的に庭の表情を変えることができるのも特徴の1つ。空間に立体感が生まれ、お庭がおしゃれになるのはもちろん、栽培環境も整ういま注目のガーデニングアイテムです。

2. レイズドベッドの利点とは

レイズドベッドをお庭に取り入れることで、どんなメリットがあるのか。改めて説明します。

  1. ① 土壌改善と排水性の向上

    枠内に培養土や堆肥を入れて作るため、理想的な栽培環境が実現。高さがあるので水はけや通気性もよく、植物の根腐れなどの防止にも。

  2. ② 抜群の作業性

    地面にしゃがみこむ必要がなく、植物が手元の高さにあることで、植え付けや収穫、水やり、剪定といった細かな作業も無理なく行うことができ、全体の作業効率がぐっと向上します。

  3. ③ 雑草と害虫の予防に

    新しく土を入れて作ることから雑草が生えにくく、地面からの雑草の侵入や害虫や病害の被害も防ぎやすいのが嬉しいポイント。

  4. ④ フォーカルポイントになる

    立体感と存在感でお庭にスマートさとメリハリが生まれ、視線が集中するフォーカルポイントが作れます。

他にも、日当たりがよくなり、植物の生育がよくなるなど、レイズドベッドには様々な魅力があります。

3. 軽くておしゃれなレイズドベッド「ベジタブ」

レイズドベッドといっても素材によって雰囲気が変わり、かかる費用や手間もさまざま。今回おすすめしたいのが、簡単に組立でき、シンプルでスタイリッシュな見た目が特徴の『ベジタブ』です。

鉢底のないオープンボトム式なため、組み立てて置くだけで設置は完了。

錆に強いスチール製の波型パネルは、軽さと強度を兼ね備えたシンプルなフォルムにより、植物を魅力的に引き立てます。

レンガや石を使って作るには技術が必要かつ重量があるため、一度設置すると移動が難しいのが難点。また木製は腐食の心配もつきものです。レンガや枕木を積んだりモルタルで固めたりする必要がなく、簡単に組立、設置のできる『ベジタブ』は、手軽にレイズドベッドを取り入れるには最適な選択肢だと思いませんか。

高さは2タイプあり、円形、正方形、長方形など空間やイメージに合わせて形状を変えられるので、レイアウトの幅も広がります。

4. さっそく作ってみましょう!

いくら「簡単にできる」と言われても、やはり不安もありますよね。

実際にどんなものかを知っていただくためにも、スタッフがベジタブを組み立てるところから植え付けまでを実践してみました。

①まずは中身の確認

今回使ったのは、高さ29㎝タイプのベジタブ。

箱の中には曲線と直線のパネルが各4枚、本体上部に取り付けるレール、ボルト、プラスドライバーが入っています。

②設置するスペースの確認

今回は、この約100cm×100cmのスペースに、ベジタブを設置します。
スペースに合わせ、曲線のパーツ4枚を使い、直径92㎝の円形を作ることにしました。
※奥に見えるのは、すでに設置済みの高さ45cmのベジタブ

③自分で用意するもの

作業用手袋
金属用ニッパー
スコップ
ハサミ
培養土25L(8袋)・鉢底石 14L (2袋)
肥料

④ベジタブの組み立てスタート!

では、さっそく組み立てていきましょう!

  1. 1. 曲線パネルを組み合わせて仮置きします。今回は円形に組み立てます。段ボールやブルーシートを敷いて作業してくださいね。

  2. 2. 穴の空いた部分を付属のボルトで連結し、固定していきます。

  3. 3. 上部にエッジカバーを被せて固定し、最後に余った部分をニッパーで切り取ったら組み立ては完了です。(余ったエッジカバーは、今後サイズ変更した際に使うので置いておきましょう)

⑤植え付けに挑戦!

\ 今回アドバイスいただいた方 /

Gardener's

ガーデナーズジャパン和歌山・海南店 寒川店長

エクステリアの設計経験も持つ、ガーデナーズの敏腕店長。持ち前の研究者気質を発揮し、自宅でもさまざまな花や木を栽培。実践で培った知識と技術を店舗運営や接客に生かしています。

  1. 1. 設置したい場所にベジタブを運びます。(この大きさなら私一人でも楽に運べました!)
    設置するのは芝生や土などの日当たり、風通し、水はけのよい場所がベスト。傾斜や段差のある不安定な場所は避けてください。

  2. 2. 軽石(鉢底石)を全体に敷き詰め、余分な水分を排出する排水層を作ります。底全体が見えなくなるぐらい(約3cmほどの厚さ)が目安です。

  3. 3. 培養土を入れていきます。1辺を切る一般的な袋の開け方ではなく、中央にバッテンを描くようにカッターで切ると、スピーディに!
    ※最後の1袋だけは上部を開いて必要量を調整してください。適量はエッジカバーのゴムの下ぐらい。

    Gardener's

    寒川店長
    アドバイス

    水をやった際に土が下がってしまわないよう、軽く土の表面をたたきながら土を入れます。強く押しすぎるのも水はけが悪くなるのでNG。グーパンチでポンポンと叩きながら表面をならしてあげるイメージがベストです!

  4. 4. 花苗をポットのまま土の上に並べ、レイアウトを考えます。

    Gardener's

    寒川店長
    アドバイス

    寄せ植えと同じく、手前から奥に向けて高さが出るようにレイアウトするのが美しく魅せるポイント。そのためにもまず一番背の高いものから考えてみてください。
    その後は高さと色合い、花の形やサイズが隣り合わないよう意識し、三角形を描くように全体のバランス考えながら配置してみてください。(→詳しくは5番へ

  5. 5. 苗が入るサイズの穴を掘り、粒状肥料スプーン1杯分を穴に撒きます。

  6. 6. 雑草の種や病気のウイルスなどを落とすため、土と根を軽くほぐして植えます。

    Gardener's

    寒川店長
    アドバイス

    土と根をほぐす際、根がびっしりと張っている苗は、ハサミで十字に切り込みを入れてみてください。切った部分に指を入れ、根に沿って縦にほぐしてあげると根が張りやすくなります。

  7. 7. 苗の周りに土をかぶせてしっかりと固定します。

  8. 8. すべての植え付けが終わったら水やりです。花に直接水がかからないように株元にたっぷりとあげます。

    Gardener's

    寒川店長
    アドバイス

    水やりは「これくらいでいいかな?」と思う以上に、しっかりたっぷりあげましょう!目安としては、同じ場所に10〜15秒ほど。
    水が少ないと根まで届かず、植物が枯れてしまうことがありますが、水をあげすぎて枯れることはほとんどありませんので、鉢の底から水が流れ出るくらい、たっぷりあげてくださいね。

⑥今回植えた植物はこちら

  1. ① ラナンキュラス / ティーバ
  2. ② ブルーデージー
  3. ③ デルフィニウム / チアラベンダー
  4. ④ ルピナス / リリアン
  5. ⑤ ユーフォルビア / スノーブリザード
  6. ⑥ ネメシア / ピンクレモネード
  7. ⑦ マーガレット / マルコロッシ
  8. ⑧ オステオスペルマム / ベネチア
  9. ⑨ ペチュニア / カプチーノ
  10. ⑩ ヘーベ / トリカラー
  11. ⑪ キンギョソウ / シルバーピンク
  12. ⑫ アレナリア / モンタナ
  13. ⑬ カリブラコア / ティフォシーダブル パープル

⑦作業時間とかかった費用

作業時間

約1時間(作業人数 2人)

費用

合計 46,496円(税込)

  • ベジタブ H29:25,800
    ※2025年4月現在の青山ガーデン販売価格
  • 培養土:11,824
    ※25ℓを8体使用
  • 鉢底石(ひゅうが土 大粒):932
    ※14ℓを1体使用
  • 肥料(マグアンプD):658
  • 苗:7,282
    ※13ポットを使用

※2025年4月現在の価格です。  ⇒今回使用した商品はこちら

5. レイアウトのポイント

まず最初に、一番背の高い植物を中心に考えます。寒川店長のおすすめは、その植物を花壇の奥の中央から少しずらした位置に配置すること。今回はラナンキュラスを選びました。

そのラナンキュラスを基点にして、三角形を描くように高さの違う植物をバランスよく並べていきます。

他にも、花の色や大きさ、葉の形、どこにアクセントを持たせるかなど、考えることはたくさんあります。まるでパズルを組み立てるように頭を使いますが、植物が育ったあとの姿を想像しながら「どんな空間をつくろうかな」と思い描くのも、大きな楽しみのひとつです。

植える順番も奥から。また植える際には、どの向きが正面なのかを意識してみてください。一番手前にくる植物を少し前方に傾けると、育ってきた際にしだれるようになって風情が変わります。

\ レイアウトのポイント /

  • 全体的に奥が高くなるように背の高いものから始めよう
  • 隣り合う苗で三角形を描いた時の高さのバランスを意識しよう
  • 植え付け時の苗の高さだけでなく、どの程度成長するのか計算するのも大事
    (購入店で予め確認すると◎)
  • 色合いは基本的には同系色で揃えると作りやすい
  • 花の形とサイズが似たものは、離して配置するとキレイに整う
  • 大きい花が続いたときは、小花を入れるとカラーリーフ代わりのアクセントに
  • 花ばかりでなく、リーフを間に配置するとバランス◎

6. メンテナンスと管理方法

植え付け後の水やりのタイミングは表面に湿気があるかどうかで判断しましょう。
分かりにくい場合は「割り箸を刺してみて土が湿っていなければ水やりのタイミング」という方法も教えてもらいました。

割り箸をさしてみたところ、土が湿っていました

また、ベジタブ本体はサビにくい粉体塗装で仕上げていますが、傷がつくとサビやすくなるため、傷がついた場合はその場所にサビ止めや市販塗料で補修を施すと長持ちします。

7. 作ってみた感想

スタッフ
佐々木

「ベジタブ」はサイズが大きいので、最初は組み立てが難しいのでは?と思っていましたが、実際に作ってみると意外と簡単でスムーズにできました。

一度組み立てたあとでも、サイズを変更できたり、移動ができたりするのも魅力のひとつ。庭のレイアウトを変えたくなっても、そのまま使い続けられそうです!

8.  まとめ

今回植えた花は8月頃までの3〜4ヶ月楽しめる予定。咲き終わった花を都度入れ替えていけば、長く楽しむことができます。

今回は花を植えましたが、野菜も育てられる汎用性の高さをもった「ベジタブ」。

高さが選べ、形も変えられるので、段差をつけるとよりおしゃれな庭が演出できます。

春は新たな花壇づくりにもぴったりの季節。
地植えとはひと味違った立体的な花壇レイズドベッドでお庭の表情を一新してみませんか?

今回使用した商品

ベジタブ H29

25,800円(税込)

花と土の培養土 25L

1,478円(税込)

マグァンプD

658円(税込)